英語でバードウォッチャーをBirder(バーダー)と呼びます。アラスカの春には渡り鳥を追いかけて沢山のBirderもやってきます。今回はアリューシャン列島のアダック島へ行ってきました。
バードウォッチングとは何?とお考えの方、日本野鳥の会などが紅白歌合戦の軍配を数えたりすので有名ですが、実際にはカウントするよりも珍しい鳥を捜し求める方が多いはずです。始めるきっかけは人それぞれと思いますが、まずは鳥の美しさに惹かれて、何気なく名前と特徴を覚えていくうちに、どんどんまだ見たことのない鳥に出会いたくなり、仲間からどこどこで日本では滅多に見られない○○鳥を見てきたなどと聞いて刺激され、やがて世界中の野鳥を求めて旅するようになるのが一般的です。
ただ「旅」と一言にいっても、シリアス(熱心な人に使う形容詞)な人の「旅」は普通の旅行とはまったく違い、とにかく野鳥のみの旅である場合がほとんどです。以前、日本からのBirderに、アラスカには年間1万人以上の日本人が国立公園で熊を見たり氷河を見にきたりしてますと案内すると、「変わってるね〜、アラスカまで来て鳥を見ないんだ!」と心底驚いているようでした。実際、野鳥を愛する人にはデナリ国立公園の目玉はグリズリーやカリブーではなく、圧倒的にGyrfalcon(シロハヤブサ)でしょう。
野鳥観測が政治まで発展したりもいます。野鳥というのは環境破壊によって減少や絶滅の危機に陥りやすいもので、ダーウィンが進化論を発見したのも適者生存していったフィンチからでしたが、環境保護を訴える人の中に開発を優先する共和党支持者が混じっていたりすると二大政党ディベートが始まったりもします。
それほどまでにトリつかれる野鳥の世界を(私の素人の目から)シリアス度5段階表記すると
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双眼鏡と図鑑を持ってフィールドに出たことがあり、多くの野鳥の特徴と名前を識別
できる。
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ある特定の鳥に憧れを持ち、その鳥に会いにはるばる海を越えたことがある。
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鳥のさえずり声を聞き分けることができ、繁殖方法など生態にも精通している。
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遠くで飛ぶ鳥の群れの中でも、その飛影の微妙な違いで種を見分けたりすることができる。
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本や図鑑を出版して先生と呼ばれている。---という感じでしょうか。
野鳥を見るには自然の中に入っていかなければできません。歩くことによって健康になり、自然に対する考え方も広がります。同じ観測地でも、日本人は日本にいない種を、アメリカ人は逆にアジアからの珍しい渡り鳥を目当てにくるので、情報交換としての異文化コミュニケーションも楽しいです。世界には多くの野鳥がいるので探求に終わりはありません。双眼鏡と図鑑だけで始められる趣味として皆さんも試してみませんか?
オグ 2006年 6月
*写真はアラスカフォトのオグ氏アダックへ行くを参照