<第一回 へインズの白頭ワシ>
10月末、東南アラスカのへインズという町に行ってきました。目的は、この時期集まってくる白頭ワシの群れを見るため。ヘインズを流れるチルカット川は底から水が湧き出している所が何箇所もあり、水温が比較的温かく、冬でも凍りません。そのため、鮭が11月初旬まで上がってきます。他の川が凍り始める頃、その鮭を目当てにアラスカ、カナダのブリティッシュ・コロンビア州、遠くはアメリカのワシントン州辺りからも、白頭ワシが集まってくるそうです。その数なんと約2000羽!!
チルカット川は網の目のような細い流れの集合で、中洲には至る所に流木がオブジェのように横たわっていますが、そこに彼らはまるでペットショップのせきせいいんこみたいに並んでとまっています。岸の木々には1本に1羽ずつ、多い木にはまさに鈴なり。これは圧巻、一見の価値あり。
さて白頭ワシといえばアメリカの国鳥ですが、鋭い目つき、りりしい顔立ち、羽をひろげれば1.5m以上にもなる大きさ、近くで見るのは恐ろしいというイメージがありますが、人間を襲う気配ではありません。恐ろしいのはむしろ”糞”なのです。日本でも鳩やカラスの糞害に悩まされているところは多いのですが、白頭ワシともなると糞の風格がちがいます。一度目撃したその瞬間は大迫力でした。白く太く長い糞が一瞬のうちに放出されると、むちが波打つように宙を舞ったのも束の間、重力に身をまかせて地面まで直下降。鳩の20倍を想像していただければいいかもしれません。上空からたたきつけられた糞のためにそこら中地面は真っ白。もしあれが頭上に落ちてきたら....考えたくないですね。もちろん害といっても大自然の中。害は個人レベルにとどまってます。
この時期のもう一つの楽しみといえば釣り。11月初旬まで遡上してくるシルバーサーモンがたくさん釣れます。夏のシーズン中のコンバット・フィッシングで痛い目にあった私でも、いとも簡単に釣れました。来年の夏のシーズンにむけて大きな自信がついた気がします。
(11月13日 ベッキー)

ヘインズの港町 木にとまっている白頭ワシ チルカット川の白頭ワシの群れ