<第5回 春だ!5月だ!!フーリガンだ!!!の巻>
ワールドカップ開催まであとわずか。その準備を伝えるニュースが連日日本のテレビや新聞などをにぎわせています。特に警備関係で気遣われているのが「フーリガン」対策。ワールドカップ開催と共に日本でもなじみ深くなった言葉です。
しかしアラスカでフーリガンと言うとき、人々は全く別のものを想像します。この季節ならではの楽しみ、「フーリガンがやってくる」と考えただけで胸はときめき心は躍るのです。フーリガンとは体調20〜25センチ程のししゃもを大きくしたような魚。日本では北海道だけにいて、キュウリウオと呼ばれているとか。とても脂がのっていて、原住民のチュガッチエスキモーはこれでろうそくを作ったそうです。またの名をキャンドルフィッシュというのだとか。フーリガンを辞書で調べると[hooligan:ごろつき。不良少年、よた者] と書かれています。
5月初旬、このごろつき達がアンカレッジの南、ターナゲイン入江に大挙してやってくるのです。ふつう波は寄せては引いてだけれど、ターナゲイン入江は世界でも有数の干満の差の激しいところ。で、満ちるときは右から左に、引くときはその逆に、まるで川みたいに一方的に流れるのです。彼らの通り道に近づける引き潮の時に漁をします。
フーリガン漁には専用の網があります。直径50センチくらい、柄が2メートル以上ある長いもので、巨大虫取り網のよう。お知りまで届く長靴を履いて海に2,3歩入り、この網で潮の流れに逆らって底をさらうようにすくいます。するとひとかきするごとに必ず一匹二匹このごろつきが入ってくるのです!だから面白いように捕れ、夢中になってしまうのです。道路に車がずらーっと100台くらい、岸にはその倍くらいの人々が夢中になって網を動かしている景色も壮観(滑稽?)です。
先日初フーリガンに行って来ました。潮のいいときに合わず、ひとかき最高3匹でしたが30分で44匹収穫がありました。(去年は15分で61匹!)潮さえ合えば、ひとかき10匹近く入ることもあるそうです! 捕った魚は、メスは卵があるのでそのまま、オスは中を掃除して干物にするか冷凍して保存します。揚げて南蛮漬けにしたり、塩焼き、みそ焼きなどにして食します。新鮮なおいしいフーリガンは本格的な春の訪れの風物詩。来週は山にたらの芽を摘みに、今月末にはいよいよサーモン釣りが始まります!

ターナゲイン入り江にて バケツ一杯のフーリガン 干されているフーリガン