サーモンフィッシングのすすめ その@
6月、キングサーモンの釣り場にいくと会社の面々が皆揃います。5月は残雪でレジャーには少し早く、7月以降は観光シーズン真っ只中となり遊びどころではないので、短い夏でもおのずと6月の遊び=キング釣りが一年の一番の楽しみになります。
キングサーモン(先住民名:Chinook、日本語名:マスノスケ)は太平洋岸のサケのなかでも一番大きく、15kg〜25kg(世界記録はなんと57.2kg!)になります。アラスカのサーモンも色々ですが、通常夏から秋にかけて産卵にやってきて、メスが淡水の浅瀬の巣に何千もの卵を産むと、それが砂利で覆われる前にオスが受精し、メスもオスも産卵後は力尽きます。冬から春にかけて孵化した稚魚は、親たちの亡骸で栄養に満ちた川で育ち、6ヶ月ほど淡水で生活し川の匂いを覚えたら、その後海へと移動します。海へ出たサーモンの外洋活動はまだ謎に包まれていますが、磁気を探知して動くという説が有力です。2〜5年のあいだ回遊し、ニシンやイカなど魚介類を食べて完全に成長したら、産卵のために生まれた川に戻ってきます。昔の匂いを辿りいったん淡水に入ると一切食べ物を口にせず、急流や滝を遡り、全てのエネルギーを子に託し死んで行くのです。すさまじい一生ですね。
では、産卵前の食事をしないサーモンをどうやって釣るか?サーモンの習性を利用した2通りの釣りがあります。まずは、サーモンというのは例え自分の子でなくても同じ種の卵が水中にプカプカ浮いていると「ここでは危ない、助けてやろう!」と口に含んで岩陰に隠す習性があります。人間はその優しさを逆手に取りイクラを使います。特殊な液でイクラの粒をビー玉大に固め、水中に沈めて待ち、浮き輪が動いたらグッと引いて針を深く刺し込み、釣り上げます。
もう一つの方法は、針に黄や赤などの糸を付けたり、きらきら光る釣具を使ったりして、川に投じては潮の流れに沿って竿を動かし(糸を弛ませない)という作業をひたすら繰り返す方法です。これは、仕掛けを将来の敵(マスなど)の卵と勘違いして食べる習性を利用してるといわれますが、もしかしたら目の前に流れてきた物体が邪魔なので食らい付いているだけかも知れません。実際には魚に聞いてみないと分かりませんが、私はこの方法で釣ります。サーモンフィッシングは魚との一騎打ちです。尻尾やエラにたまたま針が引っかかったとか、近くに泳いでいたから網ですくったというのはルール違反で、ちゃんと針が口の中に刺さっていないといけません。仕掛けや持って帰っていい数・サイズも川と時期によって規則が違い、それを守らないと見回り(Fish&Game)の人に罰金を科せられます。
釣りはライセンスを購入することから始まります。2006年時点で、州民だと年間$24+キングサーモン用に別途$10、これが州民でないと1日に$20+別途$10と条件が不利になります。日本の方にはすいません。膝上までのゴムブーツを履き、水に浸かりながら寒い思いをして、結局何も釣れなくてもお金はかかるのです。食いついても引きが強くて簡単には釣らせてもらえませんし、逃げられることの方が多いです。それでも5分近く格闘して相手の体力を弱らせて、水しぶきで濡れ、やっとのことで引き上げた瞬間の感動は生涯忘れないでしょう。皆さんも是非試してに来て下さい。
オグ 2006年6月
釣ったサーモンとオグ氏 キャンプする釣り人 フィッシュオンした釣り名人